高知県西部を東へ西へ、南西へ南へ、さらに東へと変転著しい蛇行を見せながら多くの支流を集め、泊々なる流れとなって196キロ先の中村市下田で土佐湾に注ぐ。長さは四国第一位。流域面積は2700平方キロで吉野川に次いで二位。その約83%が高知県内。
由来はアイヌ語説が有名。1897年に出版された「土佐見聞録」によると、アイヌ語で岩石の多いところを「シマ」と言い、四万十アイヌの名はその岩石の多さに由来する、とされる。物理学者の寺田寅彦はアイヌ語で「シ(はなはだ)」・「マムタ(美しい)」説を唱え、それがよく知られている。
四万十川の支流は大小合わせて70の第一支川と200以上の第二支川、源の小さな谷も含めると300以上。そのうち長さ300キロを超える主な支流、その筆頭は梼原川。不入川の本流の反対、北西と四国カルストに発し、本流と並ぶ大きな流れを形作っている。
日本最後の清流と呼ばれる四万十川。その豊かな自然の恵みは私たちの心を豊にしてくれる。トンボを眺める、キャンプを楽しむ、カヌーで川の流れと一体になる・・・そして、一番の恵みは川の幸。
ウナギ、アユ、エビ、カニ、アオノリ・・・川魚は天然繁殖魚が94種あり、全国一位。ヤマトテナガエビなど豊富な川エビ。これに深く関わってきたのは専業川漁師たち。魚を愛し、川の水の一滴を自分の血の一滴のように愛しむ人たち。幾つかの伝統漁法が時を超えて息づいている。 |